
川があるところに人が住み、集落ができ、やがて町になった。流域では土地が耕され、産業が生まれた。川を訪ねると、その地域ならではの暮らしや仕事に出合うことができる。
2月末で休刊した「おとなプラス」では2019年夏から4年半、50以上の川を訪ね、心に残る風景や住人を数多く撮影させてもらった。
新潟県のホームページには1000を超える河川が記載されている。もうしばらく、各地の川を訪ねる旅を続けたい。今回は出雲崎町、長岡市を流れる島崎川へカメラを持って出かけてみた。
これが人工?落差15メートル、堂々の"名瀑"
落水の滝(長岡市)
島崎川は出雲崎町西部に源を発し、JR越後線、国道116号と並行するように出雲崎町を貫流する。長岡市に入るとほぼ直角に向きを変え、そのまま日本海に注ぐ。元々は新潟市方向に流れていて、柏崎-新潟の水運に利用されたが、大正時代、大河津分水路の開削に伴い分断され、現在の海へ向かう水路が建設されたという。
島崎川の見どころは、河口の「落水(おちみず)の滝」。幅12メートル、落差15メートルの堂々とした滝で、地層がむき出しの崖を落ちているので、人工の水路のものとは思えない。撮影のため周辺をロケハンしていたら、滝の上流側からの風景に足が止まった。
川が滝の所ですっぱり切れ、その先が海になっている。土手を下って水面近くから見ると、海もほとんど見えなくなり...
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