柏崎の市街地と柏崎刈羽原発(奥)。早期再稼働を求める請願は3月21日に市議会で採決される=2023年12月(本社ヘリから)
柏崎の市街地と柏崎刈羽原発(奥)。早期再稼働を求める請願は3月21日に市議会で採決される=2023年12月(本社ヘリから)

 新潟県に立地する東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。再稼働東京電力福島第1原発事故を踏まえ、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。を求める請願国や県、市町村に対し、その職務に関する要望や意見を述べることができる制度。同様の制度である「陳情」とは異なり、憲法で国民の権利として定められており、提出するには議員の紹介が必要となる。を、柏崎商工会議所などの地元経済団体が柏崎市議会に提出した。市議会は2月定例会議最終日の3月21日、本会議で請願を採択する見通しだ。事実上、市議会に再稼働への同意を促すことになるこの請願提出について、柏崎商議所は会員から大きな異論は出なかったと説明する。実際、提出に賛同する会員が多いとみられる一方、複雑な思いを抱いている会員もいる。商工業者の思いを探った。

 「1月1日の能登半島地震で、...

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