【2022/03/16】

 1987年に第4次全国総合開発計画に組み込まれた日本海東北自動車道(日東道)。しかし、山形県境の「朝日温海道路」約40キロは今も開業時期さえ定まらない。関西から青森まで日本海を貫く高速道路網で最後まで残る「ミッシングリンク(途切れた区間)」となるのは確実な状況だ。

 90年代以降、長い足踏みが続いた。バブル経済がはじけて国の財政が悪化する中、「無駄な公共事業」批判が強まった。地方の高速道路は「クマしか通らない」などと揶揄(やゆ)された。新潟・山形県境部分は97年に基本計画にこぎ着けたが、そこで動きが止まった。

 2001年には「構造改革」を掲げた小泉純一郎政権が誕生。40...

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