【2022/03/24】

 1997年に運行を開始した、北越急行の特急「はくたか」。越後湯沢から北陸へ向かう列車に、着物姿の女性たちが乗り込んだ。ほくほく線のまつだい駅(新潟県十日町市)が最寄りとなった松之山温泉のおかみたちだ。

 東頸城の山間部を駆け抜ける列車の中で、乗客一人一人に地元のクルミを配り、地域をPRした。

 東頸城の有志でつくるNPO法人「ほくほく村」は2015年の特急廃止まで、こうしたPR活動を続けてきた。「プレゼントをもらい、山の景色を見た人の中で1人でもいいから、来てくれればうれしいと思った」。NPO事務局長の村山達三(77)は語った。

 工事中断など紆余(うよ)曲折を経て、北越北...

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