東日本大震災は終わっていない。11年を過ぎてなお、そう思わせる地震が発生した。深夜の長い揺れに、強い恐怖心を覚えた人は多かったのではないか。

 政府や関係機関は被害の全容を早急につかみ、交通網やインフラの復旧を急いでもらいたい。被災した人たちの生活再建支援にも全力を挙げたい。

 16日午後11時30分すぎ、宮城県や福島県で震度6強を観測する地震があった。震源地は福島県沖で、東日本大震災の震源域内だった。

 地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・4と推定され、揺れは北海道や九州にも広がった。本県では南魚沼市で震度5弱、上中下越の広い範囲で震度4を記録した。

 宮城、福島両県で計3人が亡くなった。突然の地震でまたも尊い命が奪われ、やりきれない思いが募るばかりだ。

 けが人は12県で180人を超えている。本県では80代の女性1人が揺れで転倒し足の骨を折るけがをした。

 地震と同時に広範囲で停電が発生した。揺れながら暗闇の中で家具や落下物から身を守るのは容易なことではないだろう。夜間に起きる地震の危険性を改めて肝に銘じたい。

 宮城県などの沿岸では発生直後から津波注意報が発表され、最大30センチの津波が到達した。

 東日本大震災とは地震のタイプや震源の深さが違い、津波による被害を出さずに済んだのは幸いだったといえる。

 一方で揺れが強かった地域では高速道路にひび割れが発生したり、崩れた石垣などが道路をふさいだりした。

 東北新幹線は走行中の1編成が全17両中16両で脱線し、乗客が線路を徒歩で避難する事態となった。営業運行中の新幹線が脱線したのは2004年の中越地震以来のことだ。

 新幹線は中越地震などを踏まえ、脱線しても転覆しないようにする装置が付いている。これが機能して大惨事は避けられたが、脱線を完全に防ぐことの難しさも浮き彫りになった。

 高速道や新幹線といった基幹インフラは地域住民にとって不可欠な生活基盤であり、被災地の復旧を進める上でなくてはならないものでもある。早急な復旧に力を尽くしてもらいたい。

 福島県沖が震源の地震で警戒されたのは原発への影響だ。

 東京電力福島第1原発などで使用済み核燃料プールの冷却が停止し、その後復旧した。東電は燃料の安全性は保たれるとしている。とはいえ、福島事故の記憶を呼び覚まされたという人は多かったのではないか。

 今回の地震は、昨年2月に福島県沖で起きた震度6強の地震と震源や規模がほぼ同じだった。このエリアは今後30年の地震発生確率が最も高いランクに位置付けられている。

 ただそうした場所に限らず、日本列島はいつどこで大きな地震が起きてもおかしくない。

 万一の時に安全を保つことができるかどうか。周囲を確認し、命を守る対策を講じたい。