
政府は東京電力柏崎刈羽原発1985年に1号機が営業運転を開始した。全7基の出力合計は821・2万キロワットで世界最大級だが、2023年10月現在は全基停止中。東京電力は2013年に原子力規制委員会に6、7号機の審査を申請し、17年に合格した。その後、テロ対策上の重大な不備が相次いで発覚した。終了したはずだった安全対策工事が未完了だった問題も分かった。7号機の再稼働東京電力福島第1原発事故を踏まえ、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。を新潟県に要請した。岸田政権は再生可能エネルギー風力や太陽光、水力、地熱など自然界に常に存在するエネルギー。石油や石炭などの有限な化石エネルギーと異なり枯渇しない。どこにでも存在するとともに発電などで利用する際には温室効果ガスである二酸化炭素を排出しないといった特徴があり、地球環境に対する負荷が少ない。の主力電源化とともに、原発の最大限活用を打ち出す。2023年の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)に合わせ、日本や米国など約20カ国は世界の原発の発電能力を、50年までに20年比で3倍に増やすと宣言した。世界のエネルギー情勢や国内の原発を巡る課題を、長崎大教授(原子力政策)の鈴木達治郎氏(72)に聞いた。(論説編集委員・仲屋淳)

-世界の原発利用動向を教えてください。...
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