本年度も活動が始まった。「Niigata選挙カレッジ」の任命書交付式が紙面で紹介されていた。若者の政治参加を進めようと、学生が選挙の啓発などに取り組む
▼県明るい選挙推進協議会が2013年度から続けているが、関係者の努力にもかかわらず若者の選挙離れに歯止めがかからない。昨年の県議選では若年層ほど投票率が低い傾向があった。全年齢の投票率は46・38%だったが、10~20代は30%を切った
▼その背景には、投票しても政治は変わらないという諦めがあるようだ。内閣府の「社会意識に関する世論調査」では、政策に民意が反映されているかどうかを問う質問に「そう思わない」との答えが肯定的な回答を大きく上回り、若年層ほどそうした考えが強かった
▼そんな状況に一石を投じる動きだ。日本維新の会共同代表の吉村洋文大阪府知事が「0歳児選挙権」の導入を盛んに訴え、波紋を呼んでいる。未成年者に出生直後から選挙権を認め、未成年の投票は親権者が代行する形を想定しているという
▼吉村氏は「0歳児選挙権を導入すれば、政治家は強烈に将来世代を向く」と意義を強調する。ただ、子どもが多い親権者ほど選挙への影響力が大きくなり、1人1票という法の下の平等を定めた憲法に反するとの意見や、子どものいない人が軽んじられると懸念する声がある
▼こうした手法の是非はともかく、若者の政治離れ対策が必要なのは間違いない。政治参加の分野で、何らかの成功体験を得てほしいのだが。