「田中角栄先生顕彰碑」を見つめる野澤正幸さん=佐渡市下川茂

 旧西山町(柏崎市)出身の故田中角栄元首相は、5月4日で生誕から103年となった。主に中越をエリアとする衆院旧新潟3区選出ながら、旧1区に属した佐渡市でも多大な功績を残した。新潟市から佐渡市の両津港と小木港を経て上越市に至る海上国道350号を誕生させたことは有名だ。ただ、この海上国道とは別に、全国的にはあまり知られていないが、「角栄道路」と地元住民が親しみを込めて呼ぶ峠道がある。県道65号(両津真野赤泊線)だ。感謝の思いが刻まれた顕彰碑も沿道に残る。なぜ田中元首相が佐渡の地で今なお輝いているのか-。「なぜ」を探った。

(論説編集委員・原 崇)

旧赤泊村民らの陳情を受けて改良された県道65号。「角栄道路」と呼ばれている=佐渡市下川茂

 佐渡市下川茂(旧赤泊村)の峠道。1日数本しかバスが来...

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