イラストは整理部・佐藤仁

 まさか、イラストのようにちゃぶ台をひっくり返す人は、今時いるまい。もしやっているなら、家庭内暴力になる恐れもある。やめるべきだ。食べ物ももったいない。

 昭和の風景の1こまに、一家団らんでちゃぶ台(四角い卓も含む)を囲み、食事をしたりプロレス中継を見たりと、楽しいひとときが思い浮かぶ。

 ちゃぶ台を囲むシーンはテレビや映画でもよく見られる。小津安二郎の名作「東京物語」ではのんびりした雰囲気だったが、高度経済成長を経て生活が豊かになったためか、ちゃぶ台がひっくり返りご飯がこぼれるシーンも、テレビや映画に登場するようになった。

 「寺内貫太郎一家」では、父親役の小林亜星さんと息子役の西城秀樹さんが、よ...

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