
20年ほど前、オランダの画家、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)」を初めて見た時、少女の耳元で光る大粒の真珠に目がくぎ付けになった。絵画でありながら、つややかな質感にうっとりした。
国内外の皇族や王族が身に着ける真珠も印象的だ。テレビで、英国のエリザベス女王の胸元に輝く真珠の3連ネックレスを見ると、華やかさに圧倒される。普段身に着けるのはイミテーション(模造)パールや、小粒の淡水パールをあしらった物くらいだが、真珠に憧れる。
ヨーロッパではかつて、真珠は特権階級の象徴だったという。「真珠の世界史」(山田篤美著)によると、「ミキモト」(東京)創業者の御木本幸吉が三重県で1...
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