最近、連れ合いのスマートフォンに、ひんぱんにメッセージが届く。通信アプリLINE(ライン)を使いやりとりしているのは、地元自治会の人たちだ。4月に本年度の班員で顔合わせをして連絡先を交換し、数十人が参加するグループを作った。1人が投げかけた課題にそれぞれ返信するなど、活発に意見を交わす

▼集会所に出向き、打ち合わせを重ねる。自治会にはそんなイメージがあったが、共働き世帯の増加やスマホの普及といった生活スタイルの変化に合わせて見直しが進んでいる。参加する側としてはありがたい

▼同様に自治会に見直しが求められそうなのが、個人情報の取り扱いだ。先日の本紙は今年3月時点で新発田市など県内8市町が、引っ越した住民の情報を本人の同意なく自治会長らに提供していたと報じた

▼多くの自治体が広報誌や案内文の配布などを自治会に委託しており、そうした業務を円滑にするためという考えが背景にある。一方で、自分の情報が勝手に地域に伝えられることを、不快に感じる人も多いだろう

▼入学時などに贈られる祝い金を巡っても、自治会が情報収集する方法を見直し、自己申告に変更するケースもあると聞く。それぞれの自治会で模索が続く

▼活動の進め方が変わっても、住民が協力し合う大切さは変わらない。わが班の目下の課題は、夏祭りやラジオ体操についてだ。子どもたちが地域を誇りに思い、夏休みを楽しく過ごせるように。スマホが鳴動する日々がしばらく続きそうだ。

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