新潟市の今年の成人式会場
新潟市の今年の成人式会場

 18、19歳の若者たちはどんな思いでこの日を迎えただろうか。期待と不安が交錯し、緊張を感じているかもしれない。

 明治以来、140年以上続いた大人の定義がきょう、変わった。成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が施行された。

 日本は少子高齢化が進み、人口は減少局面に入っている。新型ウイルス禍もあって経済成長は停滞している。

 そうした中で10代の若者たちが大人の一員になることは、社会に活力を与えてくれるに違いない。自分たちが暮らす国や社会、そして世界を、よりよい方向へ導く原動力になってほしい。

 大人としての先輩である私たちは、彼らの意思や考えを尊重し、その歩みを見守りたい。

 成人年齢引き下げは、憲法改正を目指した安倍政権時代の2007年に国民投票法が成立し、投票権者を18歳以上としたことがきっかけだ。

 その後16年に選挙権年齢が18歳になり、18年の改正民法成立で成人年齢引き下げが決まった。

 大人になったことで、18歳からできることが広がった。

 クレジットカードやスマートフォン、車のローンなどさまざまな契約は、親の同意がなくてもできるようになった。

 支払いが可能かどうか見極める必要があるが、自分のクレジットカードがあれば、これまで親に相談しにくかった商品も求めやすくなるだろう。

 公認会計士や行政書士などの資格取得も可能になった。男女とも18歳から、自分たちの意思だけで結婚できる。

 自分の判断でできることが増えた一方で、責任も伴う。

 注意したいのは「未成年者取り消し権」が18、19歳にはなくなったことだ。未成年は親の同意がない契約を取り消せるが、18歳からは基本的に取り消せない。社会経験の乏しい若者が消費者被害に遭う懸念がある。

 そうした事態を防ぐために消費者契約法も改正されたが、18、19歳が取り消せるのは、進学や就職、容姿などへの不安をあおったり、恋愛感情を利用したりして結んだ契約に限られている。

 残念ながら、成人したばかりの若者を狙う悪質な業者がいる。高校が連鎖販売取引(マルチ商法)の草刈り場になる恐れがあるとも指摘されている。

 新成人は契約についての正しい知識と対処法を学び、自らを守らなくてはならない。政府は十分目配りし、必要であれば早急に対策を講じてもらいたい。

 重大な刑事事件を扱う裁判員裁判の裁判員も18歳から選ばれるようになる。学生や生徒は辞退もできるが、法教育を充実させることも不可欠だ。

 成人になったとはいえ、飲酒や喫煙はこれまで通り20歳からだ。そうしたこともあり、成人式は20歳で実施する自治体が多い。それまでに大人としての自覚を磨き、力を蓄えていってほしい。