上空から見た大山台公園。太平洋戦争末期には港と周辺の軍需工場地帯を守る重要拠点として高射砲が配備され、B29爆撃機に対して砲撃が行われた=16日(本社小型無人機から撮影)

 新潟市東区の工業地帯に「大山台」という小高い丘がある。現在は大山台公園が整備され、日本海の夕日や工場夜景を楽しめるスポットとして親しまれている。だが、太平洋戦争末期には、米軍のB29爆撃機を迎え撃つ高射砲部隊の本部が置かれた場所でもある。

 大山台は、村上市から新潟市西蒲区までの海岸線約70キロにわたる「新潟砂丘」の一部で、海抜は約12メートル。

 一帯は大正後期の新潟築港以降、港に隣接する工場地帯として開発された。昭和初期にかけて、港と工場地帯をつなぐ鉄道が敷設されると、工場の集積がさらに進んだ。

 太平洋戦争が激化するとともに、一帯は軍需工場地帯としての色彩を強めていく。爆撃や機雷投下で、太平...

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