星空の下、JR磐越西線の早出川橋梁を駆け抜ける列車。石積みの橋脚は110年前の開通当時から鉄路を支えている=五泉市

 JR磐越西線の早出川橋梁(きょうりょう)(五泉市)を渡る列車が、一筋の光となって駆け抜けた。磐越西線の新津-馬下間は、10月で開通110年。早出川橋梁の橋脚は開通当時のまま鉄路を支え、物流や軍事的な役割も担った歴史を伝えている。

 明治初期、我田引"鉄"とばかりに私鉄会社ができ、各地で鉄道の敷設計画が持ち上がった。福島県と本県を結ぶ岩越線(現磐越西線)もその一つ。1897(明治30)年、岩越鉄道会社が着工し、7年後に福島県側の郡山-喜多方間が開通した。

 本県側の工事は資金難などで進まなかった。当時、県内には阿賀野川の船運で通じていた会津の商圏を奪われる懸念はあったものの、岩越線への熱意は福島ほ...

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