秋葉硝子の工場に残る溶解炉。多くの製品を生み出した炉は火が落とされたが、そのたたずまいは存在感を放つ=新潟市秋葉区草水町2

<おことわり>

 本コーナーで紹介している秋葉硝子(新潟市秋葉区)は、大雪の影響で工場の建物が倒壊する被害を受けました。溶解炉を含め、設備の多くが倒壊したがれきの下敷きとなっています。関係者の皆さんは再建に向けて活動しています。

 

 「石油の里」と呼ばれる新潟市秋葉区新津地域は、「ガラス産業のまち」でもあった。戦後の最盛期のガラス生産を支えた巨大な溶解炉は、今も当時の姿で残り、往事をしのばせる。一方で、一度は途絶えかけた産業を、職人たちが工芸品として復活に取り組む。炉は地域の歴史を伝える遺構として再評価され始めるなど、新津のガラスが注目を集めている。

 新津は明治後期から大正にかけて、日本一の石油産...

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