1人暮らしをする母から「今年は日中エアコンをかけて過ごします」とスマートフォンにメッセージが届いた。昨夏までは暑い日にどれだけ訴えても「エアコンの風が苦手」と譲らなかったが、ついに考えを変えてくれた

▼隣家の高齢の夫妻は、夏場は玄関のドアを開けて風を入れていた。この夏は、ドアを閉めている。エアコンを使うことにしたのだろう。年々厳しくなる暑さは、人々に生活の変化を余儀なくさせている

▼買い物などの外出時にも備えが必要だ。帽子や日傘、水などを持ち歩くのはもちろん、熱中症警戒アラートが出ている日には外出を控える必要がある。母にもそう伝えようか

▼出かけた場合も、ゆったりと涼める場所がある。新潟市では公共施設に加え、薬局やコンビニエンスストアなど計400カ所以上を「コミュニティオアシス」に指定している。用事や買い物がないのに…と尻込みしそうになるが、そんな場合も利用は大歓迎だという

▼いすなどを用意し、座って休めるようにしている施設もある。長岡、上越などの各市も「涼み処(どころ)」の名称で、やはり公共施設と民間施設を指定している。のぼりやステッカーなどが目印だ

▼熱中症では近年、毎年のように全国で1000人を超える死者が出ている。最近の暑さは命の危険が伴うことを、改めて肝に銘じたい。何度でも声を大にして言わねばならない。一昔前の暑さとはレベルが違う。暮らし方を変えねば、取り返しのつかないことになる。炎天はまだまだ続く。

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