2028年度というから4年後だ。上越新幹線の長岡-新潟間で自動運転が導入される。当初は緊急時に備えて運転士が乗務するが、30年代半ばには乗客の避難誘導などを担当する係員だけが乗務する「ドライバーレス運転」にこぎ着けたいという

▼乗客が運転席に入ることはないから、自動運転になっても客室で過ごす分にはさほど違いは感じられないのかもしれない。それでも運転士不足の心配がなくなり安全性が向上するなら、乗客にもメリットはあるはずだ

▼一定の軌道上を行き来する列車に比べ、複雑な経路を走る自動車はハードルがより高くなるが、本県をはじめ各地で導入に向けた試行錯誤が続いている。いずれはマイカーでも操作は全てシステム任せという日がやって来るのだろう

▼操作をシステムに委ねるだけに誤作動などはあってはならない。近頃はインターネットに接続する機能を備えた「コネクテッドカー」の普及が進む。何者かがシステムにサイバー攻撃を仕掛け、車両を乗っ取る事態も起こり得る

▼普段はライバル関係にある自動車メーカーなどがこうした攻撃に対応するため連携を強化する。米国はコネクテッドカーに使われる通信機器とソフトウエアについて、中国とロシアが関係する製品の輸入と販売を段階的に禁止するという

▼出版大手KADOKAWAが大規模サイバー攻撃を受け、システム障害や個人情報漏えいの被害を受けたのは記憶に新しい。目に見えない脅威への備えは、ますます重要になる。

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