
コシヒカリが刈り取られる笠原貴博さんのほ場=南魚沼市新堀新田
新潟県の2024年産米のJA当初仮渡し金出荷時に農家に支払われる前金。取引価格のベースになる。「米どころ」である新潟県の額は、他県やJA以外の業者の集荷価格に影響する。新潟県内の各JAは、全農県本部が示したJA仮渡し金をベースに上乗せしたり、経費を差し引いたりした上で、各JAの仮渡し金を示す。は約20年ぶりの高値となった。物価高や23年産米の需給引き締まりに加え、「資材高騰や人手不足の中、生産者が再生産できる水準を考慮した」とJA関係者は口をそろえる。しかし生産者や識者からは、持続可能な農業の水準にはまだ達していないとの声が聞かれる。(報道部・山本司)
新潟県のブランド米・魚沼コシヒカリを扱うJAみなみ魚沼は、魚沼コシの当初仮渡し金(60キロ当たり)を2万円とした。2023年より2千円増えた。「ようやく経費を賄えるくらいにはなったが、設備投資に回せるほどではない」。南魚沼市新堀新田の農地所有適格法人「MARUTAKA」社長、笠原貴博さん(4...
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