人生は選択の連続であるという。進学や就職など、節目で迫られる重い選択もあれば、きょうの昼ごはんのメニューに悩まされることもある。さて、きょうは全国の有権者が一斉に選択をする日だ

▼衆院選は小選挙区と比例代表で、それぞれ候補者と政党を一つだけ選ぶ。意中の投票先があれば話は早いが、迷う人もいるだろう。投票したい先が見つからないという方もいるかもしれない

▼そんな時、よく勧められるのが「少しでもマシだと思った方へ」という考え方だ。少々短絡的で乱暴かもしれない。とはいえ、それもいいのではないか。投票は私たちの大切な権利である。むざむざ無駄にすることは避けたい

▼「自分の一票では何も変わらない」。そんな声もある。でも、今回はなかなか興味深いよと耳打ちしたい。報道各社の世論調査では、与野党が過半数を巡り激しい攻防を繰り広げているという。一人一人の選択が政治の行方を大きく左右するかもしれない

▼現政権の安定した政治か。与野党伯仲の緊張状態か。政権交代が望ましいのか。政権の様相が変われば、取り組む政策も優先順位も変わる。気になる政策1点に絞り、自分と考えの近い候補者や政党に投票する手もある

▼米国では大統領選が11月5日に迫る。事前の情勢調査では大接戦と伝えられる。こちらも有権者一人一人の選択が国の明日を、さらには世界の明日を決めることになる。選挙は民主主義を象徴する仕組みだ。その主役はまぎれもなく私たち有権者である。

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