住民と花角英世知事らが意見を交わした「地域の会」の情報共有会議=11月8日、柏崎市
住民と花角英世知事らが意見を交わした「地域の会」の情報共有会議=11月8日、柏崎市

 新潟県に立地する東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。の安全性を住民が議論する「原発の透明性を確保する地域の会柏崎市と刈羽村の在住者で会が認める団体から推薦された委員で構成する会。原発賛成、反対、中立などさまざまな立場で構成する。原発の運転状況の確認や監視、東電などへの提言が役割で、原発の賛否は議論の対象としない。東電などに情報開示や現場確認の要求や提言はできるが、権限は持たない。2002年、東京電力による「トラブル隠し」問題の発覚を受け、03年に県、柏崎市などが設置した。運営は県の委託費で賄われる。」の委員と、花角英世知事や東電社長らによる情報共有会議が11月8日、柏崎市産業文化会館で開かれた。委員からは、再稼働東京電力福島第1原発事故を受け、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。の焦点となっている地元同意新規制基準に合格した原発の再稼働は、政府の判断だけでなく、電力会社との間に事故時の通報義務や施設変更の事前了解などを定めた安全協定を結ぶ立地自治体の同意を得ることが事実上の条件となっている。「同意」の意志を表明できる自治体は、原発が所在する道県と市町村に限るのが通例。日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)を巡っては、同意の権限は県と村だけでなく、住民避難計画を策定する30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)内の水戸など5市も対象に加わった。を巡り、県民の意見を聞いた上で自らの考えを示し、「県民に信を問う」としている花角知事に手法や時期を問う声や、安全な避難路の整備を求める意見が上がった。

 情報共有会議は年に1回開かれている。花角知事のほか、...

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