メタボです-。昨年の人間ドックで、初めてそう告げられた。健康には多少の自信があり、自分なりに気を付けてきたつもりだ。腹の出た中年にはなりたくないと思っていただけにショックを受けた

▼メタボリック症候群を放置すると動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞などの危険性が高まるとされる。今回の検査では腹囲が基準の85センチを超えたことに加え、血圧がやや高かった

▼実は思い当たる節はある。しばらく続けていたジョギングはここ1年、仕事の忙しさにかまけて怠けがちだった。カロリーや糖質を気にすることもいつの間にかやめていた

▼介護を受けたり寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」の大切さが指摘されている。厚生労働省の調査では、2022年の健康寿命は男性が72・57歳、女性は75・45歳。平均寿命との差、すなわち亡くなるまでの「不健康な期間」は男性8・49歳、女性11・63歳となる

▼かつて筆者の周囲には「健康より原稿」とうそぶく記者がいた。体調を崩そうが原稿を出せといった意味合いで、半分は冗談だが半分は本気だったように思う。働き方改革が叫ばれる今はもちろん、そんなことはない。「原稿より健康」が当たり前になっている

▼きょうが仕事始めの人も多い。思えば人生、健康より大事なものはない。健康のためなら死んでもいい…これは全くの冗談だが、それくらい強い意志で取り組んでもよい。目指すは将来のピンピンコロリ。皆さんも健やかな1年を。

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