昭和の面影を残す商店街での買い物に似た懐かしさを感じた。本紙生活面で連載する遠藤麻理さんのコラム「なんとかなる」を読んだ時のことだ

▼先日の原稿は「おニューの運動着と運動靴で爽やかにキメる」ことを今年の目標にしたとつづられていた。運動着と運動靴。最近あまり使わなくなった言葉だなぁ。でも、懐かしくて心地いい

▼年明けに掲載された「まいにちふむふむ」面には、昭和と令和で呼び方が変わった物のクイズがあった。えりまき、とっくり、ズック、えもんかけ。他にどんな物があるかと家族で話題になった。ヤッケ、ちり紙、背広、鏡台…。昭和生まれが使う言葉は、平成と令和世代の子どもにはクイズそのものだ。月賦は、人前で出すと失礼なものを思い浮かべたらしい

▼言葉は社会の変化とともに変わっていく。石破茂首相は施政方針演説で、新しい日本を創るためにはサステナブルでインディペンデントでなければいけないと述べた。GXとDXを支える新時代のインフラ整備も進めるという

▼すんなり理解しにくい言葉が並ぶが、人口減少を踏まえて持続可能で自立した社会にする必要がある。地球環境を守るためにクリーンエネルギーを促進する。デジタル社会の技術革新を後押しする、という意味のようだ

▼目まぐるしく変わる社会に取り残されないよう、新しい言葉や概念を知っておきたい。一方でスニーカーと言うより運動靴と呼んだ方が、用途や機能が伝わりやすいこともある。忘れずにいたい。

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