魚沼地域に赴任した経験がある。計5回の冬を過ごした。豪雪地暮らしのわずかな経験からすると、数メートルの積雪でも少しずつ積もったなら何とか対処のしようがある。けれど一気にドカっと来ると…。これは相当厳しい
▼早朝から大汗をかきながら雪を片付け、昼になると再び分厚く積もっている。そんな場面に出くわすと心が折れそうになる。車で出かけ、用事を終えて駐車場に戻ると、車体が雪山のようになっている。雪を下ろし、発進するまでがまた一苦労。そんなこともよくあった
▼今回の寒波でも、山沿いを中心に積雪が急増した。まさにドカ雪だ。本県を目がけ、日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)が形成された。衛星画像を見ると雪雲が途切れることなく押し寄せてくる。まるで雪雲の連打だ。パンチを浴び続ける方は深いダメージを負う
▼地球温暖化によってドカ雪が増えるという。一見すると不思議な現象がよく知られるようになった。日本海の水温が上昇すると、海面から蒸発する水蒸気が増えて雪雲が発達しやすくなる。ひとたび大気の状態が不安定になると、短時間に大量の雪を降らせる
▼一方で、夏場のゲリラ豪雨も増えている。温暖化により、こうした極端な気象現象が頻繁に起こるようになった。年々、対処するのが難しくなっていると感じる。厄介な時代になったものだと、ため息が出る
▼ドカ雪になりやすい状態はまだ続くようだ。事故や不測の事態にご注意を。せめて、これが今冬のピークだと思いたい。