能登半島と同じ状況がここにもある。昨年元日の地震で新潟市西区などでも多くの住宅が被災した。1年以上たったが、まだ家や店舗の修繕や改築が終わっていない
▼まだというより、これからが本番といった感じだ。この冬は高温に関する天候情報が出たこともあり、てっきり暖冬と信じていた。それなのに立春後に記録的なドカ雪である。少雪を見込んだのだろう。西区には建て替えや解体工事の真っ最中という被災住宅もある。そこに50センチもの雪が降った
▼解体中の家は、屋内の部屋にも雪が積もったようだ。基礎工事の現場では、コンクリートが厚い雪に埋まった。液状化対策で丁寧に頑丈に段取りしていたはずだ。先日は吹雪の中、懸命な雪掘りが続いていた。作業員や家主を思うと切なくなる
▼能登では地震から水害、そしてドカ雪と三重苦の被災者もいるだろう。被災地の除雪はさながら、白いがれきや土砂の始末をせかされているような状況ではないか
▼放置すれば、せっかく修理した家が大雪で破損しかねない。言うまでもなく、ドカ雪も災害である。開会中の国会では困難が次々と襲いくる被災地の雪対策も論議してほしい
▼始末といえば、国会では来年度予算案に関わる難題が山積みだ。給食費や高校授業料の無償化のほか、年収の壁、高額療養費の上限見直し…。これらも急いで片付けねばならない。待てば消えゆく雪とは異なる。もはや数の力には頼れない少数与党だが、始末に負えないなどと言ってはいられない。