東京電力柏崎刈羽原発の安全設備やテロ対策などを視察したIAEAのグロッシ事務局長(左から3人目)=2月18日、柏崎刈羽原発
東京電力柏崎刈羽原発の安全設備やテロ対策などを視察したIAEAのグロッシ事務局長(左から3人目)=2月18日、柏崎刈羽原発

 国際原子力機関(IAEA)原子力の平和利用を促進し、軍事利用の防止を目的に1957年に設立された国連の関連機関。「核の番人」とも呼ばれる。本部はウィーン。約170カ国が加盟する。ウランやプルトニウムなどの核物質が、核兵器に転用されないことを確保する保障措置としての査察、安全対策や技術協力などを活動の柱としている。のグロッシ事務局長が2月18日、東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。を視察した。再稼働東京電力福島第1原発事故を受け、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。に向けた準備状況について説明を受け、「セキュリティーや安全の向上に終わりはないが、今の段階で再稼働はできる根拠はあると確信している」と評価した。

 IAEAは、柏崎刈羽原発でテロ対策上の重大な不備が相次いだ問題を受け、2024年3月から4月にかけて調査しており、東電が改善措置を実施し「根本原因に対処した」などとする報告書をまとめている。

 東電によると、グロッシ氏が柏崎刈羽原発を視察するのは初めて。稲垣武之所長らと共に、高台に配置されている原発事故時に使う緊急用車両や、原子炉建屋周辺に入る際に本人確認...

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