東京で開幕戦を迎えた米大リーグ・ドジャースの本拠地では、多くの観客が名物のホットドッグにかぶりつく姿が見られる。開放的な空間で味わうのは格別だろう

▼漫画家の東海林さだおさんはホットドッグ好きを自認する。ドジャースの本拠地でも食べたことがあるという。そんな東海林さんは「どんな食べものにも、その食べものに合った最適の場所がある」とエッセーに書いている。ホットドッグについては「これはもう野球場に限る」と力強く宣言した

▼野球やサッカーの競技場周辺で販売される食べ物は「スタジアムグルメ」と呼ばれる。略して「スタグル」である。プロ野球イースタン・リーグのオイシックス新潟アルビレックスBCも、今季はスタグルに力を入れるという

▼メインスポンサーが食品宅配大手だけに「日本一おいしい球団」を掲げる。22、23日のホーム開幕戦では、にいがた和牛にカグラナンバンのタレを絡めたローストビーフ丼などの新メニューがお目見えする

▼サッカーJ1アルビレックス新潟のホームゲームでもスタジアム周辺にキッチンカーや売店がずらりと並ぶ。一帯には食欲をそそる匂いが漂い、対戦相手のサポーターも含めて多くの人が行き交う光景が毎試合見られる

▼「花より団子」のように、空の下で楽しむ食事がとりわけ味わい深いのはなぜだろう。スタグルは県民にとっては地元の味覚を再確認する場に、よそから訪れた人には新潟の食を知ってもらうきっかけになる。大いに活用したい。

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