世界各国の10代を対象にした初の国際調査で、将来暮らしてみたい地のトップに新潟が選ばれたことが分かった。食料資源の豊富さと、海でも山でも遊べて都市機能も備わる多面性、さらに雪が降るのも魅力的だと評価された
▼…という事実は、ありません。今日はエープリルフール。ご容赦を。この慣習は海外では16世紀中頃からとされるが、日本での定着度はいまひとつ。センスがないと、滑るどころかひんしゅくを買う羽目になる
▼近年は交流サイト(SNS)などで、遊び心のある架空の新商品発売を発信する企業がある。大手メディアがいたずらニュースを流すこともある。英国のBBCなどは歴史が古い
▼それをネタに、作家の井上ひさしさんが随筆を書いていた。「日ごろから信頼されていればこそ、新聞や放送の冗談が効く。今は信頼されていないので効き目がない」。16年前の著書だが、新聞社の人間としては複雑な思いで読む。ただ「ジョークの効き目」はその通りだろう
▼ちまたではSNSにフェイクがあふれる。人工知能を使えば偽の動画や音声が簡単に作れてしまう。虚実入り乱れる危うさと隣り合わせだとすれば、もはやエープリルフールを笑って済ませられる素地は失われている
▼笑っていられないのは発足から半年を迎えた石破政権も。新年度予算は四苦八苦の末に成立した。年度をまたぐ事態は土壇場で免れたが、企業・団体献金の扱いなど重要課題は積み残された。少数与党の薄氷を踏む政権運営は続く。