やりがいや抱負を語る西蒲原土地改良区の児玉百合恵理事(左)と坂井眞澄理事=3月、新潟市西蒲区
やりがいや抱負を語る西蒲原土地改良区の児玉百合恵理事(左)と坂井眞澄理事=3月、新潟市西蒲区

 県内の土地改良区で女性理事が増えている。会社でいえば役員のような存在で、2021年度末は1人だったが、24年度末時点で85ある土地改良区(土地改良区連合含む)のうち12カ所計17人に増加。理事に占める女性の割合は2・0%となった。ただ、国は25年度末までに、土地改良区の理事に占める女性比率を10%以上とする目標を掲げており、達成への道のりは遠い。(報道部・渡辺隼人)

 県内で先駆的に女性理事を登用した西蒲原土地改良区(新潟市西蒲区)では23年6月、坂井眞澄さん(70)と児玉百合恵さん(41)が理事に就いた。理事13人に加え、新たに組合員外の女性2人が理事になるよう定款を変更した。

 2人は昨年、同じ職場の女性職員と意見交換を重ね、職場の改善策を提案。建物内の会議室の一角をパーティションで区切って休養スペースにするなどした。元地方公務員の坂井さんは「働きづらさを感じる女性職員の力添えになりたかった。改善できてよかった」と喜ぶ。農業に取り組む会社の経理や事務を担う児玉さんは「女性理事の絶対数が少なく、プレッシャーはあった。女性理事がいることが当たり前になってほしい」と語った。

▽国は「女性理事10%以上」掲げるも…

 国は女性活躍を掲げ、農業分野でも女性役員の増加を目指している。20年に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画などで土地改良区の目標として、25年度末までに女性理事が登用されていない組織数をゼロにし、理事の女性比率を10%以上とするよう掲げた。

 国の方針を受け、県や県土地改良事業団体連合会(県土連、新潟市中央区)などは女性理事の...

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