定例記者会見で質問に答える花角英世知事=4日、県庁
定例記者会見で質問に答える花角英世知事=4日、県庁

 県が29日から開く東京電力柏崎刈羽原発柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は主に関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に、6号機は2025年に全ての審査に「合格」した。7号機は2024年6月に技術的には再稼働できる状況が整った。再稼働東京電力福島第1原発事故を受け、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。問題に関する公聴会が音声だけ配信し非公開で実施される方針について、花角英世知事は4日の定例記者会見で「出席者の発言が世の中に流布されて、誹謗(ひぼう)中傷にさらされる心配がある。自由な発言を担保する環境を整えるためだ」と述べ、問題ないとの認識を示した。

 県の公聴会は、法に基づくものではなく、県民の意見を広く聞く意味合いで公聴会と称している。県は公聴会を非公開とした上で、リアルタイムで音声を配信する。開催場所は公表せず、県民の傍聴や現地での取材などは認めない方針だ。

 公聴会の在り方の妥当性について問われた花角知事は「(公開すると発言者が)圧力を感じるかもしれない。...

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