人口減少がさらに進むと、本県の活力がますます失われてしまう。減少を食い止める手だてを構築しなくてはならない。

 県外へ働き口を求める若者も多い。若者が本県を離れなくて済むように本県の魅力増進を図り、発信していかねばならない。

 総務省が先月公表した2021年10月1日時点の人口推計によると、本県の人口は217万7千人で前年より2万4千人減った。

 減少率は1・10%で全国で7番目に高い。減少数、減少率とも過去最大となった。

 県人口は1997年の249万人をピークに減り続けており、年々深刻さを増している。喫緊に取り組まねばならない問題だ。

 人口減少は死亡数が出生数を上回る「自然減」と、転出者が転入者を超過する「社会減」がある。

 本県の自然減は23年連続となり、減少幅も拡大した。社会減も続き、総務省の21年の人口移動報告によると、本県の社会減は5774人で前年より3人増えた。

 20~24歳が大半を占め、若者の県外流出が顕著だ。

 新型コロナウイルス禍でテレワークが進むなど東京一極集中が見直され、地方への分散の流れが見えている。

 同じ報告で、関東甲信越では茨城、群馬、山梨の3県が前年の転出超過から転入超過になり、長野と栃木両県は、転出超過数が大幅に減少した。

 本県は分散の流れを捉えたとは言えず、取り残された格好だ。

 若者が定着するポイントとなるのは働く環境が大きいだろう。

 県はウェブサイトで若者向けに魅力ある企業を紹介したり、移住支援金を支給したりしているが、効果を見極める必要がある。

 デジタル技術を活用し、休暇先で仕事をする「ワーケーション」施設の設置も対策の一つとなる。

 自然豊かな本県は最適だ。これをきっかけに、本県の魅力もアピールできる。

 県全体で力を入れなくてはならないのは労働条件の改善だ。中でも賃金は比較しやすく、若者が就職先を決める上で重要な選択肢の一つになっている。

 厚生労働省の調査では、フルタイムで働く人の平均月給は、本県は27万2100円で東京など都市部との開きが依然として大きい。

 賃金を上げるには県全体の経済を底上げしていく施策が必要だ。

 ほかにも長時間労働をなくし、子育てしやすい社会にしていくことも、若者が定着する鍵になるはずだ。県外で暮らす子育て世代の回帰にもつながるだろう。

 29日に投開票を迎える知事選でも、人口減少問題は大きな焦点になっている。

 県には市町村や企業、大学などと連携し、実効性ある施策で若者の流出を減らす取り組みがこれまで以上に求められる。