太平洋戦争で広島や長崎に原子力爆弾を放った米軍の部隊は新潟県にも模擬原爆を投下した。原爆の“訓練”ですら市民の命を奪った史実があった。体験者や遺族らの思いを追った。(3回続きの2)

 1945年7月26日午前8時半過ぎ、柏崎市長崎(旧西中通村長崎)に米軍の模擬原爆が投下された。近くの日吉国民学校(現日吉小)の4年生、寺﨑美津子さん(90)=旧姓阿部=は運動場から戻る途中に目撃。掃除の時に机を引きずるような大きな音がした。

 廊下の窓から空を見上げると、「黒い風呂おけのような物が空から落ちてきた。火か光か分からなか...

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