
佐藤淳教授(左)と岸保行教授
消費を伸ばそうと県内の日本酒の造り手や売り手は、新たな切り口からチャレンジを続けている。日本酒の酒蔵数全国一の新潟県の可能性はどこにあるのか。新潟大教授で日本酒学センターの岸保行センター長(45)=酒蔵組織論=と県立大の佐藤淳教授(62)=地域経済論=に聞いた。(報道部・江森謙太郎)
◆原料米、蔵付き酵母…清酒の「地域性」を付加価値に 新潟大・岸保行教授
-新潟県の酒の特徴は。
「新潟の代名詞のような淡麗辛口に加え、新しい消費者をつかんでいくため、芳醇(ほうじゅん)で甘口も含めたうま口の味わいや、フレッシュで微炭酸の商品も増えている。淡麗辛口をたくさん飲んだ世代の消費が高齢化で細ってくる。日本酒デビューする若者の『入り口』を意識した酒造りが広がっているといっていい」
「今はさまざまな味の酒を造る酒蔵が増え、味わいで新潟清酒をくくることは難しくなっている。今後、世界に羽ばたいていく中で新潟清酒は何にアイデンティティーを求めるか。例えば...
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