
「子どもたちに戦争を経験させてはいけない」と話す西倉勝さん=神奈川県相模原市
戦場において、生と死は常に紙一重だった。どん底から生き延び、戦い終えても苦しみは続いた。国民一人一人の命は軽んじられた。決して繰り返してはならない時代を知る証言者たちは、戦争の果てに何を思うのか。戦後80年の今、その声に耳を傾けた。(9回続きの4)
<3>シベリア抑留、寒さと過酷な労働…新潟市中央区・101歳の村山元威さん
「月が鏡であったなら 恋しあなたの面影を夜毎(よごと)うつして見ようもの」。刈羽郡二田村(現柏崎市)出身の西倉勝さん(100)=相模原市=は終戦後、旧ソ連の捕虜となり歩いて長距離移動をさせられている最中、ふと心の中で歌った。戦前ヒットした歌謡曲「忘れちゃいやよ」の歌詞になぞ...
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