
慰安施設の設置を指示する県警察部長からの通達=新潟市中央区の県立文書館
終戦直後、政府は占領軍の進駐に合わせ、兵士を性接待する慰安施設の設営を全国で進めた。新潟県でも進駐が始まった9月下旬以降、各地に慰安施設が開設された。兵士による性犯罪から女性を守るためとし、一方では性接待する女性を差し出すというゆがんだ国策の実態は、あまり知られていない。残された警察資料や新潟日報の紙面などからたどる。(報道部・清水祐子)
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1945年9月19日、県警察部長から県下の各警察署長に出された通達が今も残る。占領軍向け慰安施設設置は「風紀維持上また不慮の事故防止のため喫緊の要務」とし、接待婦の充足に努めるよう指示。雇用する女性の条件や保健指導などの内規が示された。
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