政治アナリストの伊藤惇夫氏
 政治アナリストの伊藤惇夫氏

 自民党新総裁が高市早苗前経済安全保障担当相に決まった。投票結果を見ると、党員・党友票は全体の4割と、事前の予想以上に取っている。保守的な政治姿勢が奏功した部分もあるだろうが、中道的で穏健な党員・党友も多いことを踏まえると、「初の女性首相」が誕生することで自民党のイメージを変えてほしいと期待した層が高市氏に流れたのだろう。

 当初は有力視された小泉進次郎農相が選挙戦で、自身の主張をするのに原稿を棒読みしたり、インターネット配信動画への「やらせ投稿」が問題化したりして失速したことも影響した。

 高市氏が首相になれば自民党が保守色を強めるのではないかと言われるが、そう簡単ではない。高市氏が勝ったとはい...

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