大島堅一・龍谷大教授
 大島堅一・龍谷大教授

 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働容認は、福島第1原発事故を引き起こした事業者である東電の再稼働を認めるという点で、他の電力会社の原発にない重大な意味を持っている。

 柏崎刈羽原発を巡る東電の行いを改めて振り返ると、福島事故以前から、柏崎刈羽原発を含む自社の原発において、点検データの改ざんや不具合の隠蔽といった不正を繰り返してきた。

 2002年には、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の元技術者による内部告発を契機として、原子炉内の隔壁(シュラウド)などの重要機器のひび割れに関する点検記録の改ざん、虚偽報告を組織的に行っていたことが発覚した。この不祥事を受け、旧原子力安全・保安院により、全ての原発17...

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