
江崎智絵・防衛大准教授
イスラム組織ハマスが条件付きながら、拘束する人質全員の解放に同意した。トランプ米大統領が提示し、イスラエルのネタニヤフ首相が同意したパレスチナ自治区ガザ和平案にゴーサインの方向性を示した回答として評価できる。
イスラエル政府はガザ市制圧作戦の当面停止を軍に指示した。ハマスによる2023年10月7日のイスラエル攻撃後、2年に及ぶガザ戦争は終結を目指し、次の段階に移る土台が形成された。
ハマスは2年間の戦闘で幹部多数を殺害され、基盤が大きく揺らいでいる。トランプ氏の和平案を拒み、このまま戦い続けても勝ち目はなく、壊滅の危機に直面する。
他方、戦後のガザ統治におけるハマスの「排除」を明示した和平案...
残り855文字(全文:1155文字)