帝京大の軽部謙介教授
 帝京大の軽部謙介教授

 自民党の高市早苗新総裁は「サナエノミクス」という経済政策を掲げていた。安倍晋三元首相の「アベノミクス」に倣った内容で、需要が供給を上回る「高圧経済」を目指す姿勢を具体化していた。今回はあまり前面に出さなかったが、基本的な考え方は変わっていないようだ。

 高市氏は「責任ある積極財政」という表現を使う。政府の財政再建目標は「基礎的財政収支」(PB)の黒字化だが、同氏はサナエノミクスを解説した著書の中で「時限的に『PB規律』を凍結し(中略)財政出動を優先する」と述べている。今回もPB目標でなく「政府純債務残高対GDP(国内総生産)比の緩やかな引き下げ」を目指すべきだと説いた。

 国債発行残高など国の負...

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