1964年のニュース映画「昭和100年の日報ニュース」

 宮内庁は9日、昭和天皇の后(きさき)、香淳皇后の97年の生涯を記した「香淳皇后実録」を公開した。計3828ページにわたる年代記は、戦争の時代から戦後民主主義への転換期に立ち会った「皇后」を伝える。生い立ちや趣味、7人の子に恵まれた母としての姿、国民との交流などを知る史料でもある。これに合わせ、新潟日報は新潟国体の際の巡行の映像を特別に公開した。

公開された「香淳皇后実録」(代表撮影)
結婚決定は14歳、妃教育へ
関東大震災、赤倉(現妙高市)で支援の慰問袋
「戦時下の皇后」を詳述
山本五十六と面会
天皇と共に地方訪問、新潟国体も
美智子さまと結婚準備
75歳で腰骨折、公務減り
識者・初めて見えた戦勝祈願の姿
年表

結婚決定は14歳、妃教育へ

 香淳皇后は1903年3月6日、久邇宮邦彦王の長女として誕生し良子(ながこ)と命名された。14歳で昭和天皇との結婚の予定が決まり、実録はお妃(きさき)教育を詳しく紹介している。色覚障害の遺伝子がある可能性を理由に元老の山県有朋らが婚約辞退を迫った「宮中某重大事件」では、本人の心境はうかがえない。

頭に大きなリボンを着けた10歳ごろの香淳皇后

 幼少期の記載は...

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