医療法人社団悠翔会臨床研究センター長の三浦久幸さん
 医療法人社団悠翔会臨床研究センター長の三浦久幸さん

 急速な高齢化が進む日本では、認知症の人が望む暮らしや最期をどう支えるかが社会的課題になっている。2024年に施行された認知症基本法は認知症の人の権利を尊重し、地域で安心して暮らせる社会を目指すことを国と自治体の責務としており、意思決定支援や社会参加の促進も理念として掲げられている。

 特に「緩和ケア」と「意思決定支援」は本人の尊厳を守る柱だが、療養の場によって提供内容に大きな差があることが全国調査で明らかになった。

 21~23年度に筆者が研究代表者となった「療養場所の違いに応じた認知症者のエンドオブライフケア充実に向けての調査研究」では、病院の療養病床、介護老人保健施設、訪問看護ステーション各...

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