
父親を強制送還されたクルド人男子中学生のハサンさん(仮名、中央左)と家族=2025年9月、埼玉県川口市
いつもの定期的な入管への出頭日、父親はすぐに帰ってくるはずだった。翌日は、父親の誕生日。子どもたちはお祝いの花束を用意していた。しかし、父親はついに帰ってこなかった。日が変わり、誕生日も深夜になってから、やっとつながった電話で父親は言った。「トルコに強制送還された」
長年住み慣れた日本から、親が、子どもが、突然追放される。そんな事態が起きている。出入国在留管理庁(入管庁)が5月に「不法滞在者ゼロプラン」を発表して以降、増えた動きだ。
「収容された8カ月間で、体重は10キロ減った。収容所には戻りたくない」。母国での迫害を逃れた難民申請者も、ゼロプランのため再収容や強制送還を恐れて息を潜めて生き...
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