完成した「フォガーイーヤ」(手前)など=2025年10月、東京都杉並区の「コトラボ」
 完成した「フォガーイーヤ」(手前)など=2025年10月、東京都杉並区の「コトラボ」
 調理する小松あきさん=2025年10月、東京都杉並区の「コトラボ」
 ガザ情勢について解説する藤井光さん(左)と小松あきさん=2025年10月、東京都杉並区の「コトラボ」
 穀類と豆類とスパイスをローストしてひいた「ドゥッガ」(「ガザ・キッチン」より)
 店先に並ぶローストチキン(「ガザ・キッチン」より)
 翻訳に当たった藤井光さん(中央)ら=2025年10月、東京都杉並区の「コトラボ」
 「ガザ・キッチン」

 パレスチナ自治区ガザで2年にわたり続いたイスラエル軍とイスラム組織ハマスとの戦闘が10月、ようやく停戦合意の第1段階を迎えた。戦禍を逃れて避難していたパレスチナ人たちは帰還を始めたが、ガザ全域の建物の約8割が破壊されるか損傷し、暮らしの再建への道は険しい。距離的にも文化的にも遠く隔たった日本ではこの間、ガザについてなかなか知る機会が少なかった。ガザの人たちはどんな街で、どんな暮らしをしていたのだろうか。一冊のレシピ本をきっかけに、失われた街の食卓の風景に思いをはせた。(共同通信=加藤朗)

 ▽飢餓の街の食、楽しめる?

 東京都杉並区にある、出版社のオレンジページが運営する体験型スタジオ「コトラボ...

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