
コメ流通評論家・常本泰志さん
産地回りをしてきて、作況指数にはずっと違和感があった。数字と肌感覚がずれることが多かったからだ。特に最大のコメどころ新潟や福島、茨城、福井、滋賀などではその傾向が顕著だった。私の分析では、これらはJA以外の地元集荷業者が多い地域だ。これらの地域は大消費地に近く、需要が多い。
ある県庁職員によると、農林水産省の調査がずさんだという。抽出した全国8千カ所の田んぼで坪刈りを行い玄米を選別する際、使用するふるい目が業界で使われているものより小さく、主食用の取引ではじかれるコメがふるいに残る。
国は、作況指数のもととなる単位収量に耕作面積を掛けて推定生産量を計算するが、実数把握が正確にできていない。さ...
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