
宮城大名誉教授・大泉一貫さん
農業経営を研究する立場からすると、作況指数は長年信頼してきた代表的な統計だった。政府はいきなり「廃止」を打ち出したが、いささか乱暴だったのではないか。2024年産が「平年並み」の101だったのにコメ不足が起きて消費者の怒りが沸点に達した。参院選を控える中、政治的にそうでも言わないと収まらないと考えたのだろうが、どうしてズレが生じたのか、精度を向上させる手だてがないか、点検するのが先であるべきだったのではないか。
新指標も、ベースになる現場調査は基本的に同じやり方というから「廃止」ではないし、ズレが解消される保証はない。要は最終収量が分かればいいわけで、農家のコンバインに収量機を付け、数字を報...
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