
中空麻奈・BNPパリバ証券グローバルマーケット統括本部副会長
わが国は長期にわたるデフレから脱して経済環境が大きく変わり、成長を期待して投資家が株式市場に資金を投じるようになった。10月27日、日経平均株価が5万円の大台に乗せ、最高値を更新した底流には、日本経済のインフレへの転換がある。
一般的にインフレは需要が供給を上回ることで生じる。消費活動が活発化し、企業の生産が拡大する状況での物価上昇は経済の成長を促す。株式や不動産といった、さまざまな資産の価格が上がるのも当然だ。
今の株高は高市早苗首相による財政拡張と金融緩和路線への期待が支えとなった面もあり、一時しぼんでいた、いわゆる「高市トレード」が息を吹き返した形となった。
日経平均は今年に入って1万...
残り857文字(全文:1157文字)
























