
道徳の授業の後、晴之(仮名)のクラスメートが書いた感想文。「できない人とできる人がいるけど、みんなで教え合ってできるようになった」と、友達と助け合いながら縄跳びができるようになった様子がつづられている。
入学したばかりのころ、母親は申し訳なさそうに口にした。「晴之(はるゆき)がほかのお子さんに迷惑をかけるようやったら抜き出してください」。幼稚園から引き継いだ記録には「3、4歳ぐらいのレベル」と心ない言葉が記されていた。もし母親が別の小学校を訪れていたら、特別支援学級で個別に学習することを勧められたかもしれない。しかし、インクルーシブ教育を実践してきた大阪府内のその公立小は、籍は特別支援学級に置きながら、晴之を通常学級で引き受けることにした。(共同通信=名古谷隆彦、文中仮名)
▽子どもの物差しが変わっていく
晴之が2年生の時、40代の男性教諭は担任を受け持つことになった。晴之はひらがなが全然読...
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