舟山が顧問を務める部活動の卒業生からもらった手紙。教え子からもらったものは全て大切に保管しているという
 舟山が顧問を務める部活動の卒業生からもらった手紙。教え子からもらったものは全て大切に保管しているという
 平日、土日ともに減少してはいるものの、負担は大きく変わらないとの指摘もある(文部科学省の資料による)
 公立中学校の部活動改革に関する国の有識者会議の会合=2024年12月、東京都内

 部室の床に散乱するたばこの吸い殻、カップ麺の空き容器―。西日本の公立中の教諭舟山誠(28)=仮名=が顧問を務める運動部には、世間的には「問題児」とされる生徒が何人か所属していた。

 将則(まさのり)=仮名=もその一人。喫煙や飲酒を繰り返し、深夜に飲食店で暴れた際には駆け付けたこともある。両親は息子を心配し悩んでいたが「俺は親に見捨てられてる」と複雑な思いをのぞかせ、自宅に帰らないこともしばしばだった。(共同通信=池田絵美)

 ▽見捨てられたと感じた生徒、過去の苦い経験

 ただ、将則は生活こそ荒れていたものの、部活動には熱心でチームメートにも優しかった。「子どもの心は大人の物差しでは測れない」と舟山...

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