
 「デモクラシーのいろは」を刊行した森絵都さん
    終戦直後の混乱期、物価が急上昇した。「ハイパーインフレについて知りたいと思ったのがきっかけでした」と話すのは作家森絵都さん。価値観が大きく転換したこの時代のとりこになり、450冊超の資料を読み込んで書き上げたのが小説「デモクラシーのいろは」(KADOKAWA)だ。
元華族や農家の娘ら、背景はばらばらだが戦争で全てを失った20歳前後の女性4人が主人公。進駐軍の意向で、日系人のリュウ・サクラギ軍曹から“民主主義のレッスン”を受けることになる。男性のもののイメージが強かった写真を撮ったり、和太鼓をたたいたり、4人は体当たりで、それぞれが思う民主主義を実践しようと試行錯誤する。米国育ちのサクラギもま...
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