「万国人物図」に描かれたインドの人(大村市歴史資料館蔵)
「万国人物図」に描かれたインドの人(大村市歴史資料館蔵)
大村藩主の居城・玖島城跡に咲く花菖蒲=5月、長崎県大村市の大村公園
「万国人物図」より。民族は分からないが、楽器のようなものを弾いている(大村市歴史資料館蔵)
「万国人物図」のノルウェー人(大村市歴史資料館蔵)
「万国人物図」のポルトガル人(大村市歴史資料館蔵)
「万国人物図」に描かれた吹き矢を吹く男性(左)。民族は分からない(大村市歴史資料館蔵)
「万国総図・民族図譜」より。右上が日本(国立文化財機構所蔵品統合検索システム)
「万国総図・民族図譜」より。左下に「長人」、左上は「小人」が描かれている(国立文化財機構所蔵品統合検索システム)

 中世、イタリアから中国まで踏破したマルコ・ポーロの「東方見聞録」。その後の大航海時代、恐ろしい怪物が住んでいるかも知れない大海原の向こうに夢と命を懸けたコロンブスやバスコ・ダ・ガマ…。

 世界が「未知の大陸や人間、怪物」にあふれていた時代の冒険家たちの物語は、今でも楽しい。日常を超える「異世界」へと、想像力が強く刺激されるからだと思う。

 写真技術が伝わる前の江戸時代。鎖国政策下、世界との唯一の窓口だった長崎・出島に近い大村藩(現在の長崎県大村市など)のお殿様も、きっと、わくわくしながら、はるか遠くに住んでいる「未知なる民族」の絵を眺めていたと思う。その世界観を一部、紹介したい。(共同通信長崎支...

残り2129文字(全文:2429文字)