
「日々、気になる言葉があったらメモします。人間の感触、体温みたいなものがある言葉が好きです」と話す暮田真名さん
「川柳には二つの顔がある」と川柳人・暮田真名さんは言う。風刺やユーモアが特徴のサラリーマン川柳がなじみの顔なら、もう一つは「全くと言っていいほど知られていない」という“現代川柳”。後者の懐深い世界を、自身の体験と共に記した初のエッセー集「死んでいるのに、おしゃべりしている!」(柏書房)を刊行した。
「言葉に引っかかりを覚えることがよくある。その言葉の面白さを素材のまま残すのに適しているのが川柳」と語る暮田さんは、2022年の第1句集「ふりょの星」で注目された新鋭。代表句〈いけにえにフリルがあって恥ずかしい〉〈葉もの野菜に切りつけられる〉〈良い寿司は関節がよく曲がるんだ〉など、異質な言葉の引力...
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